分解能10nmで
良質なデータの測定を

21世紀はポストゲノム科学の時代と言われています。これまでに解読された膨大な量のゲノム情報を元に、翻訳産物である蛋白質の三次元立体構造を解明することは、画期的な医薬品の開発につながり、さらには細胞内におけるこれらの機能と相互作用を明らかにすることで、私たちの生命活動の基本原理が解明されるものと期待されています。
しかし、ほとんどすべての生命体の構成要素である蛋白質の研究は、生命活動そのものの研究であるとも言えます。そこには部分（生体高分子）と全体（細胞、器官、生体）の間の非線型で非平衡な共同現象に基づいた自己組織化のメカニズムが存在しています。そして生命活動の最小単位蛋白質、その蛋白質の構造形成と機能発現の設計原理や、生命活動を維持するための分子内及び分子間の生体内ネットワーク構造については今なお多くの謎が隠されており、研究をさらに進めるための基盤作りが今後必要となってまいります。